児童ポルノの単純所持の問題点を自分なりに並べ、考えてみた。

自民 児童ポルノ法改正検討へ(NHKニュース ※リンク先は既に消滅)

児童ポルノ対策をめぐっては、福田総理大臣が、鳩山法務大臣に取り組みを強化するよう指示しているほか、公明党が党内の作業チームで、児童ポルノを作ったり販売したりすることだけでなく、所持することを全面的に禁止するための法整備を行う方向で検討を進めています。こうしたなか、自民党も対策を強化するための具体的な検討を始める必要があるとして、週明けにも党内に小委員会を設置することになりました。今の児童ポルノ禁止法では、他人への販売などを目的としない個人的な児童ポルノの所持は禁止されていませんが、小委員会では、所持することを罰則を設けて、全面的に禁止する方向で検討が行われる見通しです。自民党は、党の方針をできるだけ早くまとめたうえで、公明党や野党とも協議し、今の国会に、超党派議員立法で、児童ポルノ禁止法の改正案を提出したいとしています。

【参考】
http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20080301/1204335870
http://umetarou.sakura.ne.jp/diary/?date=20080302#p01

児童ポルノ遠い根絶 禁止法施行から8年 5年で摘発3.4倍 個人所持規制が課題 (西日本新聞)

 児童ポルノ改正に関してはエクパット東京とそれを鵜呑みにした公明党による「現実と空想の区別が付いていない」主張が一人歩きしている様にも見えるけど、報道では「児童ポルノの所持問題」に焦点が当たっている。ここでは単純所持に関しては積極的に扱って来なかったけど、今回の記事で取り扱ってみたいと思う。

 もちろん実在する児童の虐待は許してはいけないし、それ以上に性的虐待の記録が後々にまで残りかねない「子供への性的虐待を記録した」児童ポルノは許してはならない。

■18歳未満の裸であれば一律児童ポルノ

 まず、販売や配布、人に見せる目的で児童ポルノを所持する事は既に禁止されており処罰される。ただし個人で前に挙げた例に該当しない限りは所持しても今の所は問題が無い。

しかし、

(定義)
第二条  この法律において「児童」とは、十八歳に満たない者をいう。
2  この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。
一  児童 
二  児童に対する性交等の周旋をした者
三  児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)又は児童をその支配下に置いている者
3  この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
一  児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
二  他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三  衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H11/H11HO052.html

のように

今の時点では18歳未満の人間の裸の写真であればそれが芸術作品や家族写真と言ったわいせつ性の無いものであっても一律児童ポルノ扱いされる

のが実情だ。

■単純所持で懸念される問題点

 そして、仮に単純所持が法律で罰せられるようになると被害が大きいのは多方面から言われているインターネットだけではなく、雑誌や新聞と言った印刷物にも及ぶ事になる。

 例えば雑誌でヌード写真が掲載されたとしよう、最近は一般紙においても男女問わず芸術性の高いヌード写真が増えてきたが、もし、単純所持が禁止された状況下でモデルになった人間が撮影・掲載時に18歳未満であった事が発覚したなら単純所持罪による被害はその雑誌を製作・発行した出版社とそのスタッフだけは無く、納入した取次・書店、購入した読者、その雑誌を暇つぶしのために設置した設置者全てに及ぶ。つまり、かなり踏み込んだ形で議論しないままに単純所持が禁止されると今まで普通に生活していた全ての人が児童ポルノ禁止法によって犯罪者のレッテルが貼られる危険性がさらに高くなる。

 ましてや性犯罪関連は捕まった時点で今までの生活や名誉は破棄されるし、結果が無罪であっても捕まる前までの状態にまで取り戻すのには今の日本では困難を要する。映画「それでもボクはやってない」がまんま自らふりかかるのだ。さらには児童ポルノは男女の区別が無いので女性にも降りかかりかねない。

児童ポルノはテロの道具だ

 また、児童ポルノの単純所持を禁止されたら18歳未満のヌード写真を潰したい相手の所にしのばせるだけで社会的に抹殺させる事が出来る。つまり、首相や政治家、企業の社長、近所のいやな奴まで潰せるまさに手軽なテロの道具にもなってしまう。

 過去に年金未納問題で何らかの形で年金未納が発覚して国会が空転した事があったがそれでは済まない事は目に見えて明らかだ。

 どちらにせよ何処かで単純所持の除外規定を設けるか児童ポルノの定義を実在する18歳未満の裸ではなく「実在する子供への性虐待を記録した映像または写真」に変えていくと言ったような事をしないと単純所持だけを禁止して解決と言うようにはならないだろう。

 とにかく単純所持の問題点はここで取り上げただけではなくいろいろな面に及ぶので、まずは「児童ポルノ 単純所持 危険性」と検索して、検討し吟味して自分の意見で危険性を冷静に呼びかけて欲しい。

声の届け方

■2008年2月12日(火)
公明党 衆議院議員 丸谷佳織ホームページ


 東京は今日も雪混じりの雨で、なんだか春遠しというカンジですね。

 さて、児童ポルノの見直しをHPに載せるともの凄い大量の反対メールをいただくわけで、皆さんのITネットワークの広がりと絆の強さに敬服してしまいます。

 どんな政策よりも反応が大きいのが“児童ポルノ”ということは、それだけ皆さんの児童ポルノの関心も強いとうことなのでしょう。ご意見をいただけるというのは、議員にとって大変嬉しいことです。本当にありがとうございます。今後も皆さんのご意見をお寄せいただきたいのですが、脅しや過激なメールだけはやめていただけないでしょうか?

 PTでは子どもの人権をトッププライオリティーにしているのは間違いありませんが、表現の自由基本的人権を無視して議論をしているわけではありません。意見が違う点があっても、お互いを尊重するバランス感覚を大事にしたいと思うので、どうか宜しくお願い致します。
 
 また、児童ポルノだけではなく、他の政策に関してもご意見をお持ちのことと思います。皆さんの声を是非聞かせて下さい。お待ちしています。

 児童ポルノの問題に関して取り上げてきたけど、どうも公明党の丸谷氏の所に脅しや脅迫メールが届いているらしい。これは非常に由々しき問題だ。

 過去にやはりメールを送りつけてかえって相手に対して悪印象を与えてしまったケースは存在する。

 確かに抗議することは大事だ、ただ気持ちが先走りすぎて手軽な手段に頼りすぎてかえって相手に悪印象を与えてないだろうか?。ましてやまだ議論の最中だ、抗議の送り方に関して勉強する時間はたっぷりある。

表現規制に効果的に反対するために 議員さんへの迷惑メール送信はやめましょう(AMI)

表現規制に反対する全ての人々にお願いします。
議員さんへの迷惑Eメールの送信は、私たちにとって大変不利になります。


 「児童買春児童ポルノ処罰法」の改正で、規制対象となる「児童ポルノ」に「絵」を含めたいという意見があります。その意見に反対する方々から、メールが殺到している模様です。
児童ポルノ問題と積極的に関わっていない議員さんの所へのメール送信は、逆効果を招く可能性があります。また、規制推進派と黙されている議員さんのところには、何十通もの誹謗中傷、迷惑メールが届いて困っているという感想を議員秘書の方から伺いました。これは表現規制の是非云々以前に、社会人としての資質を問われる行為です。

どうしたら良い形で抗議の声を送れるか勉強して欲しい。

漫画の児童ポルノ問題 続報

2008.2.8 児童買春・ポルノ禁止法見直しPTの第2回会合を開催 「法改正の方向性について党内論議」
公明党 衆議院議員 丸谷佳織ホームページ

 2月8日午前、私が座長を務める「児童買春・ポルノ禁止法見直しPT」の第2回会合を行い、児童買春・ポルノ禁止法の改正に向けた方向性について党内議論を行いました。斉藤鉄夫政調会長衆議院議員)を始め、石田祝稔、古屋範子、谷口和史、各衆議院議員鰐淵洋子PT事務局長(参議院議員)、浮島とも子参議院議員が参加して下さり、様々な視点で真摯な議論をすることが出来たと思います。

 最近の国際社会の動き、また特に指摘されている問題点(ネット上での児童ポルノ拡散の状況、対象の低年齢化など)を説明させていただき、論点として以下の三点を集中的に議論しました。

 1.単純所持を処罰対象とするか? 2.児童ポルノの定義を見直すか否か? 3.携帯電話・ネット上での不特定多数への拡散をいかに防止するか?ですが、単純所持についてはG8の中で日本とロシアだけが単純所持を対象としていないことから、国際的な批判は免れない現状などから、今回の見直しで処罰対象とするべきではないかとの意見が多くよせられました。


児童ポルノの定義については、アニメや音声を含めてより深く議論をしていく必要があるとした上で、現行法の処罰対象とはならないけれども社会通念上極めて卑猥な画像、また対象児童の低年齢化改善のため、定義の細分化、明確化を求める意見もありました。

またネット上の拡散を防ぐためには、事業者の管理責任が大事だと言う合意が得られました。今後関係者の方がたと更に意見交換を重ねながら、早期に以上の論点について結論を出して参りたいと思います。

 与党の公明党児童ポルノに関するプロジェクトチームを立ち上げてるのだけど、絵に関しても検討を始めたらしい。ぶっちゃけて言えば性的な情報が入ればあらゆる表現や娯楽メディアを「児童ポルノ撲滅」の大名義の上で撲滅に追い込むことも可能なのだ。まさに日本の文化そのものが破壊されてしまう。文化なんてどうでもいいから福祉にお金をまわしてよと言う人も居るかもしれないが、犯罪が多く起きるのは心が豊かでないからで食う事で精一杯だった頃は犯罪も多かった*1(それでも不安に思うなら報道メディアを疑った方が良い)。どうなるかは今の所情勢を見守るしかないが、現時点で与党を支持することは明らかに自殺行為だろう、アニメ・漫画・ゲームを作る人や楽しむ人なら尚更。

「子供を守る」事を理由に日本を不利益な方向にするための国民運動

青少年を有害情報環境から守るための国民運動
図書館に関する調査研究情報

生活安心プロジェクト
内閣府:生活安心プロジェクト 緊急に講ずる具体的な施策

携帯電話会社の過剰なフィルタリングによって携帯電話を介したサービスが多大な経済損失が発生するほど立ち行かなくなっている事は前にも書いたけど、国はさらに情報を規制しようと言う国民運動を行っている。はっきり言えば「子供のため」ならやりたい放題だし、子供をダシに使ってるに過ぎない。

つまり国がやりたい事をしたいがために子供を利用してる事になる、これでは性欲の捌け口の果てに実在する無抵抗の子供をレイプするのと何ら変わらない。

幸いな事に生活安心プロジェクトの方では意見を2月末まで募集しているそうなので一言ある人は意見を送ってみるといい。

マンガ文化撲滅に加担するNPO団体(とインターネットサービス)

子供が危ない 性暴力の被害現場の画像を世界中にばらまかれる少女たち:Yahoo! JAPAN - セキュリティ特集 2008春

 日本のNGOECPAT/ストップ子ども買春の会」共同代表の宮本潤子氏は、児童ポルノによる被害は次の三層に分かれていると指摘する。

(中略)

 法律的にも課題がある。「単純所持」と「アニメ」だ。小1女子誘拐殺人事件が起きた奈良県が全国で唯一、13歳未満の児童を映したポルノ画像の単純所持を禁じている。また摘発を逃れるため、過激な性描写の媒体はアニメやゲームに移行してきた。特定の被害者がいない点で画像とは一線を画しているが、カナダでは最近、日本の漫画が児童ポルノとして摘発されている。

 これらの法的問題は常に「子どものモラルこそ問題」とする保守系と、「一方的に画像を送りつけられることもあり、冤罪の温床になる」という革新系、そして「マニアをみな犯罪予備軍と見るのは偏見」というマニアからの強い反対を受け、被害児童はその谷間に置き去りにされてきた。バーチャルな世界で欲望を膨らませたマニアが殺人まで犯していることは重い現実だ。さまざまな人権が絡み合うからこそ、いま何をどう守るべきなのか、論議を尽くす時期に来ている。

 ECPATJAPANは以前からマンガを児童ポルノに入れて規制するように働きかけてる団体の一つ*1でインターネットホットラインセンターでもヤフーとともにパートナーとして参加している。確かに漫画やアニメは「子供が観るもの」と言う認識が未だに根強く残っているし、大人になってもアニメや漫画にふけってるから子供に手を出すんだと言う偏見もあるのだろう。
 またマンガのキャラクターが性行為をしているのが見たく無いと言うのもあるのかもしれない。しかしそれはあくまで偏見に基づく攻撃であり、実在する児童の人権保護と言う観点からは明らかにに逸脱するし、結果的にむやみに児童ポルノの範疇を広げて、マンガやアニメ、ゲームの撲滅をもくろんでますよと言う事を堂々と言ってるようなものだ。
 またネットサービス側も「インターネットの社会的な地位を向上させる、そのためには健全さが必要だ」として参加しているが下手をすれば文化や新たな産業すらも破壊しかねない所に手を貸すのは得策とはとうてい思えない。

またインターネットホットラインセンターの統計結果の中に「こどもマンガポルノ」というカテゴリーがある裏を返せば漫画規制のための準備をしていると言う事を裏付ける事になりはしないだろうか?。

また、実際に調べた人だとインターネットホットラインセンター自体が不透明な団体である事を証明している。
インターネット・ホットラインセンター:実態確認報告1
インターネット・ホットラインセンター:実態確認報告2
オタクのNPOを作ってみる。(仮)、より

児童ポルノの改正に関しては議論が始まったばかりのようだけど、これに乗じて漫画やアニメ、ゲームを僕達の前から奪い去り、その文化の撲滅をもくろむ輩が居る事はきちんと覚えて欲しい。

福田総理は漫画文化を撲滅するべく国会で宣戦布告をしたようです。

鳩山法相:児童ポルノ画像「所持だけで処罰」の考え示す(毎日)

この中で福田総理による気になる発言があった。

【表現規制】表現の自由は誰のモノ【大谷昭宏83】

578 名前:朝まで名無しさん 投稿日:2008/02/04(月) 20:06 id:rGzKGo/1
福田総理大臣のも書き起こしてみた


あのー、児童ポルノと申しますか青少年を対象にしたポルノは、
今から十数年前は、あの、漫画がございましたね、漫画ポルノ
あれもあの時問題になりましたけれども、
やっぱりですね日本はそういう許容するそういう社会なんでしょうか
まあこれはけして誇るべき社会で無いと思いますで、
そういう観点からこの問題についてはしっかりと対応すべきであり、
私も、これは何らかの手を打たなくてはならんとそう思っています


自民(有村議員)→自民(鳩山法務大臣)→自民(福田総理大臣)→自民(有村議員)→次の質問へ(冷凍餃子問題)

って感じで要するに自民党の議員が質問して自民党の大臣が答えるって構図なんだよな

発言した内容全部まとめたのが自民党としての方針なんじゃないかと思ったんだが

参院予算委員会 動画(38分から児童ポルノの話題)

※【追記】昨日の国会の、例の児童ポルノ関連の部分をとりあえず文章に起こした(はてな匿名ダイアリー)

 おそらく「児童ポルノ」と「児童向けポルノコミック(仮)」とも言われるアダルトコミックを混同したものと思われるが、児童ポルノ云々は抜きにしても漫画そのものを規制したいと言う意思が満々で、この発言からして漫画文化に対する宣戦布告と見られても仕方のないことではないか?。

どちらにしてもこのことだけははっきり言えるかも知れない。

マンガ・アニメ・ゲームをはじめとする文化を愛するならば無批判で与党を支持し、かつ選挙で与党に入れるのは明らかに自殺行為だ。

フィルタリングラプソディ

「オン・オフだけのフィルタリングは無益」施策の再検討を求める声も(INTERNET Watch)
未成年者の携帯“フィルタリング原則化”、課題は山積み、効果も疑問INTERNET Watch)
携帯フィルタリング、総務省が“過剰規制”に「待った」(ITMedia 産経)


携帯電話会社のサイトへのフィルタリングが活発化してきたのは一昨年の警察庁主導で行われた「バーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会」の中間報告で携帯電話会社のフィルタリングサービスへの言及が行われてから、各社フィルタリングサービスの宣伝を積極的に行うようになってきたわけだけど、その辺りからネット規制の声が強くなってきたと言うか特に新聞をはじめとする紙のマスコミはとにかくネットへの規制と安易な検閲容認を「子供の健全育成」「子供が犯罪に巻き込まれないために」と子供ダシにして声高々に叫んでる状況が昨年辺りは強かった今でも内閣府調査で不安をさらに増大させる事に成功している。

 もちろん、実害に遭う事もあるのでそれに関しては対策を練る必要があるが、やるべきベクトルが犯罪の検挙ではなく疑わしきはとにかく罰する状況であるし、状況もまるで「早くネットを規制して」とばかりに子供の駄々っ子に見えなくも無い。

フィルタリングの認知度「全く知らない」が6割超、内閣府調査(INTERNET Watch)

未成年の閲覧制限は必要:沖縄タイムス

(前略)
 ネットによる情報収集は大人はもちろん、子どもたちにも有用には違いない。居ながらにして世界のあらゆる情報を検索でき、学習に利用できるのがネットの魅力であり、利点を賢く使う方法は多岐にわたる。

 だが、その一方で、出会い系サイトを通じて少女らが性的被害に遭う事件が頻発していることを見過ごしてはなるまい。

 警察庁によると、昨年一月から六月までの間、出会い系サイトによる事件の被害者は七百八人。うち十八歳未満の未成年者が六百四人いた。ほとんどが中高校生で、しかも96%が携帯などからのアクセスだから驚く。

 フィルタリングサービスの利用者は昨年九月末現在で約二百十万人いるといわれているが、小中高校生利用者の三分の一にすぎない。保護者はもとよりサイト企業も、「犯罪防止」の観点から独自の取り組みがあっていいのではないか。

 確かに憲法第二一条によって言論、表現の自由が保障されている。それでも子どもたちがサイトを通して犯罪に巻き込まれているのである。私たち大人には「予想される犯罪を防止する」責任があるはずだ。

 すでにNTTドコモとKDDが、二月一日以降に新規契約する未成年者に対し、保護者が拒否しない限り「フィルタリングサービス」を実施することを決めている。

 契約中の未成年者にも保護者が拒否しなければKDDが六月以降、ドコモは八月以降に有害サイトに接続できなくするという。

 ネット企業の中には「言論統制」と怒りを示すところもある。だが、子どもたちの発達に悪影響を与え、しかも犯罪を引き起こす可能性もあるのであれば、企業独自の規制強化は評価してもいいのではないか。保護者もまたフィルタリングのシステムを積極的に利用することが重要だろう。

 事実、ネットの普及に伴い新聞の売上は厳しいし新聞の優位性をどうにかして維持したいと言う下心がインターネット規制論者と結託して、携帯電話フィルタリングの大臣要請にまで追い込ませたのだろうが、行政も含めて携帯サイトの殆どがいわゆる勝手サイトであるために結果的に社会生活がガタガタになりかねない所にまで来てしまっているのも事実、かと言って公式サイトに認定してもらうのは労力からして意味が無いし余計に使いにくくするだけだ。

 結局は安易なフィルタリングに頼るのではなくどうしたら被害に遭わないで済むのかきちんと教育をすること、またフィルタリングも各キャリアの一方的なものではなくユーザー本位に立ち返ったものにすること、ひたすらネットへの不安を煽るマスメディアを疑問視し明らかに問題があるような報道であれば批判する事が必要なのではないだろうかって気がするのだけど。